サッカーなんか大嫌い

日本ユーラシア協会の新作ロシア映画上映会 第2回
「ルサルカ~水の精の恋」
 
題名から想像がつく通り、凄い悲恋ものです。
ロシアだなあ…。ハリウッドじゃこういうの無理でしょ。
 
ルサルカはスラヴの伝説に出てくる水の精。
ドヴォジャークのオペラ、数年前にNHK教育TVで放映していましたが、殆どアンデルセンの『人魚姫』ですね。
アレクサンドル・ペトロフのアニメーションでも同名の作品(邦題は「マーメード」)がありますが、こちらは男を恨んで化けて出てきた妖怪という趣です。
セイレーンみたいに魔力で水に引き入れてしまいます。
 
アンナ・メリキャン監督のこの「ルサルカ」は、幸薄い少女アリサ(マーシャ・シャラーエワ:適当にブスっ娘)が多大なストレスを抱えているいかがわしいビジネスマンのサーシャ(エヴゲニー・ツィガーノフ:つくづく嫌な男である)に恋をするけど報われず。
しかし、似合わんカップルだなあと思っていたら・・・ある意味納得のラストだった。
いやはや、モスクワって、あんなに自己啓発系のコマーシャルが氾濫しているのだろうか???嫌だな。
 
・・・ところで、今ウクライナプレミアリーガを観ているのですが、メタルルグ・ザポロジエとドニエプル・ドニエプロペトロフスクの試合の前に、短いアニメーションがあって、ちょっと愉快でした。
赤いチーム(メタルルグ)青いチーム(ドニエプル)がサッカーをしようと川を渡ります。
ドニエプルは帆船、メタルルグは筏で。←紋章によっています。
猫も乗ろうとするけどレッドカードを出されてしまいます。
試合が始まるけど、ボールが川に落ちてしまい、両チームの選手たちはまず橋の上から釣竿を垂れます。ボールを釣ろうというの??
次にそれぞれゴールを動かして網代わりに掬おうとします。
ドニエプルのゴールにかかったのは水の精(ルサルカ)。
選手大喜び。
メタルルグのゴールにはボールがかかり、1点入りました!というオチ。
そこを退場になったはずの猫がお魚くわえて横切っておしまい。
 
しかし、現実の試合では、ドニエプルが先制しましたよ。
開始5分でルスラン・ロタンのGOOOOOOOOOOLLLLL!!!!!!!
 
それはさておき、ルサルカです。
自己啓発系のCM氾濫も含めて、「今のロシア」を掬い取った作品ですね。
日本ではなかなか紹介されにくい現代ロシアの姿です。
2007年制作ですが、ストーリーは前半は1991年(アリサ6歳)たぶん黒海沿岸の町、後半は2002年(アリサ17~18歳)モスクワ。
アリサの誕生日は2002年の6月9日。
ロシアがワールドカップグループリーグ第2戦で日本に負けて、モスクワで暴動がおこった日。
それが映画中に表れ、アリサはそのとばっちりを受ける。
「サッカーは嫌い」「サッカーなんか大嫌い」というモノローグが繰り返される。
確かにあの日、サッカーを嫌いになったモスクヴィチカは多いだろうな。
 
ロシアの映画の中のサッカーの試合というと、もうひとつ。
山形国際ドキュメンタリー映画祭特集で観た「ワイルド・ワイルド・ビーチ」。
 
おお、ドニエプル2点目。
ぽっかりとセレズニョフのミドルが入ってしまった。
あらら、3点目だ。ゴメニュクかな?
どどどフリーじゃないですか。
 
「ワイルド・ワイルド・ビーチ」もロシア南部の黒海沿岸のビーチ。
海水浴にやってきた人と商売している人たち(中央アジアの方からラクダなんか連れてきて一緒に写真撮りましょうビジネスしている)のドキュメンタリーで、何とも言えない雑多な題材・作風。
そんな中で、夜浜辺のテントの中でサッカー中継を聴くというシーンがあります。
対戦相手はというとポルトガル。
ああ、あの試合か~。
2006年ワールドカップヨーロッパ予選のロシア対ポルトガル。
完敗したんだよね、0-3で。と、既に結果を知っている私はそこで苦笑。
暴れだす輩がいるのではとさえ思いました。
試合が進むにつれて、案の定その場の雰囲気は暗~~~くなります。
まあ、さすがにそこでは暴動までは起こりませんでしたが、楽しくないことこのうえありません。
(でも、アウェイのポルトガル戦はさらに酷いことになったのだ。7-0だったよ、確か。)
 
お願いだから、今度はすかっとするサッカーのシーンを入れてください。
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