東京フィルメックス映画祭

東京国際映画祭よりもずっと見ごたえのある作品が揃っている。
ただ、今年はイランの作品がなくて、それはがっかりだった。
(アミール・ナデリはアメリカに移住して、もはやイラン映画ではない。)
 
今年観た作品
・「リーニャ・ヂ・パッシ」
「リーニャ~」というタイトルは4人でボールを下に落とさないようにパスしていく遊びだという(蹴鞠みたいに)。おとなりブログのサッカー映画のリストに入れとかなきゃ。辛口の青春映画&家族映画。「セントラル・ステーション」の男の子の10年後。彼以外は素人だというが、母親役の人は上手い!アルゼンチンの「今夜、列車を走る」と同じように、貧困と失業にまみれた世界からの出口を模索する若者たち(兄弟)を描いているが、こちらのラストはあまりハッピーではない。思うに、日本で上映される南米映画って、明るい雰囲気のって殆どない。サッカーをやるのだってハングリーさが日本何かと全然違う。
・「ウェルカム・トゥ・サンパウロ」
サンパウロ紹介のオムニバス映画。未完成。サンパウロがそんなに世界的に大きな都市だとは、とにかくブラジルのことは殆ど知らなかったな。
・「ヘアカット」
カザフの<大人はわかってくれない>映画。ヒロインは魅力的。アン・シャーリに対するダイアナみたいなおっとり系のお友達も。「ラスト・ホリデイ」的な要素も。無冠だったのは残念。主演女優賞とかがあれば・・・。カザフ映画、やはりいい(カネフスキー作品に雰囲気が似てる)。
・「いつか分かるだろう」
さすがアモス・ギタイ、さすがジャンヌ・モロー。フランスのナチス協力についてと、戦後補償問題を、淡々と扱う。語り手の母がロシア出身のユダヤ人というのが実はミソなのだ。
・「ティトフ・ヴェレスに生まれて」
一言で言うと、つまらなかった。チェーホフの『三人姉妹』へのオマージュであるのかもしれない。
・「バシールとワルツを」」→感想はこちらでも。
観てよかった!あ、これはグランプリだな、と思った。そして獲った。
 賞を受け取るアニメーション監督さん。
・「ガリンシャ」
貴重なドキュメンタリー映像。ペレと同時代の大スターサッカー選手、<陽気な小鳥>を意味するガリンシャ(←もちろんニックネーム)。こういう、あまりにも破天荒な天才選手って、もう出てこないのだろうなあ。
・「私は見たい」
「いつか分かるだろう」のジャンヌ・モローもすばらしかったが、カトリーヌ・ドヌーヴも負けていない。レバノン内戦の現場を自らの目で確かめたいという、根性据わった女優魂をみせる。
・「ショーガ」→感想はこちらでも。
映像がおしゃれだ。新カザフ人を描かせたらこの人の右に出るものはないのだろう。『アンナ・カレーニナ』がこんなにコンパクトにまとまるとは驚きだ。
・「デルタ」
う~む・・・。音楽はよかったけれどね。
 
授賞式
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